八方美人? dカードPLATINUM のメリット活用チェック表
多様な特典を備えたdカードPLATINUM、よく利用するサービスや趣向等によって活用スタイルが異なり、享受できるメリットも大きく変わりそうなので、ちょっと考えてみます。もちろん私の独断と偏見です。
dカードPLATINUMの概要は別記事に
2024年11月に発表されたdカードPLATINUM、その概要については以下の記事にまとめてあります。
dカードPLATINUMのメリット活用チェック表
多様な特典を備えたdカードPLATINUM、よく利用するサービスや趣向等によって活用スタイルが異なり、それぞれ享受できるメリットも大きく変わりそうです。
このクレカの活用スタイル別に、メリットをチェック表で整理してみます。
(バッチリ)
(これはアリ)
(条件次第でアリ)
活用 スタイル | ドコモ 20%還元 (※2) | 投信 3.1%還元 (※2) | 入会 特典 (約5万P) | 年間利用 特典 (※3) | グルメ優待 PP |
---|---|---|---|---|---|
ドコモ 利用 (※1) | 1|||||
マネックス 証券 (※1) | 2|||||
単発ポイ活 (例: 10万P) | 3|||||
メイン カード | 4|||||
旅行/グルメ | 5
※1 最大の還元率を適用するためには、2年目以降は毎月20万円(年間240万)の利用が必要 (1年目は無条件に最大の還元率)
※2 “○%還元” は還元率が最大の場合
※3 年間利用特典については、dポイントでなく、100万円利用時に受け取れるゴールドカードの年間ご利用額特典と同じものが最大×4倍分かと思われるため、実質的にはその額面ほどの価値ではないと想定し、
メリットの大きい特典は、ドコモのサービスの最大20%還元、マネックス証券での投信クレカ積立の最大3.1%還元、入会特典等あたりです。また、グルメ優待やPP(プライオリティ・パス)もあります。その他にも特典はありますが、本記事では上記の主要な特典について考えていきます。
それぞれの活用スタイルの説明については後述します。
dカードPLATINUMの各活用スタイル
前述のチェック表に記載した各活用スタイルについて説明します。
なお、基本的なスペックや特典自体の説明については別記事にまとめてありますので、本記事では省略します。
1 ドコモ利用
ドコモのサービスの利用者の方にとっては、スマホ料金、インターネット回線、電気料金で最大20%還元になるというメリットがあります。対象となるドコモのサービスの料金支払いが毎月1万円分(年間12万円分)あれば、年間で最大24,000P獲得できます。
ただし、最大の還元率を適用するためには、2年目以降は毎月20万円(年間240万円)の利用が必要なので、他の活用スタイルと組み合わせる必要性があります。なお、1年目は無条件に最大の還元率を適用できるので好条件です。
また、ドコモのサービスの利用料金だけでは、さすがに入会翌々月末までに50万円の利用が必要となる入会特典を全て獲得することはできません。
そのため、“ドコモのサービスを利用している” だけでは、dカードPLATINUMを選択する十分な理由にはならないと思います。他の活用スタイルも合わせて、複数の特典を利用できるか検討した方が良いでしょう。
2 マネックス証券
マネックス証券でNISAを含む投資をされている方にとっては、クレカ積立時が最大3.1%還元になるというメリットがあります。本記事の作成時点で、基本スペックとしては他社を抑えてトップの還元率、獲得できるポイント数は年間最大37,200Pです。
ただし、最大の還元率を適用するためには、2年目以降は毎月20万円(年間240万円)の利用が必要なので、他の活用スタイルと組み合わせる必要性があります。なお、1年目は無条件に最大の還元率を適用できるので好条件です。NISA口座(最大3.1%還元)より特定口座(最大2.73%還元)の方が還元率が低くなる点には要注意です。
また、マネックス証券でのクレカ積立の金額は、入会翌々月末までに50万円の利用が必要となる入会特典の集計対象に含まれません。
そのため、“マネックス証券を利用している” だけでは、dカードPLATINUMを選択する十分な理由にはならないと思います。他の活用スタイルも合わせて、複数の特典を利用できるか検討した方が良いでしょう。
3 単発ポイ活 (例: 10万P)
dカードPLATINUMの初年度の特典をフル活用してみたい方にとっては、別記事にまとめてある10万Pチャレンジのような単発ポイ活に取り組むことができるというメリットがあります。初年度に10万円相当分以上のポイント等を獲得できます。
このクレカを長期的に利用するつもりだとしても、個人的に、このような観点はお得さを実感する上で重要かと思います。
電子マネーへのチャージが封鎖されなければ、Mastercardブランドで発行してJAL PayやRevolutへのチャージで高還元ルートの起点としても使用しつつ、他のサブカードと使い分けるコーディネイトも考えられます。
初年度の特典をフル活用した単発ポイ活に関しては、このdカードPLATINUMを試しに使ってみる十分な理由にはなる気がします。収支が大きくプラスになるので。もちろん長期的には、他の活用スタイルも合わせて、特典をしっかり利用できるか検討した方が良いでしょう。
4 メインカード
dカードPLATINUMをメインカードとして利用する方にとっては、年間利用金額400万円までは100万円の利用ごとに1万円分相当の特典を受け取れるというメリットがあります。最大で4万円相当分の特典を受けられます。
ただし、この年間利用特典については、dポイントでなく、100万円利用時に受け取れるゴールドカードの年間ご利用額特典と同じものが最大×4倍分かと思われるため、実質的にはその額面ほどの価値は無いと想定しています。
個人的に、dカードPLATINUMの年間利用金額に関しては、前述のドコモのサービスやマネックス証券での還元率を最大化できる年間240万円利用(毎月20万円利用)、もしくは年間ご利用額特典においてキリの良い年間300万円利用で十分かと思います。300万円を超える金額を利用するメリットはあまり感じません。
そのため、“メインカードとして使いたい” だけでは、dカードPLATINUMを選択する十分な理由にはならないと思います。他の活用スタイルも合わせて、複数の特典を利用できるか検討した方が良いでしょう。
5 旅行/グルメ
プラチナカードならではの旅行やグルメの特典を利用したい方にとっては、プライオリティ・パスやレストラン優待(ダイニングby招待日和)を利用できるというメリットがあります。
ただし、これらの優待については他のプラチナカードでも対応できるので、dカードPLATINUMを選択する必然性はありません。dカードPLATINUMでは、コンシェルジュを利用できるサービスが付帯していないという点にも要注意です。また、プライオリティ・パスは年間10回の利用が上限です。
そのため、“旅行/グルメの特典を利用したい” だけでは、dカードPLATINUMを選択する十分な理由にはならないと思います。他の活用スタイルも合わせて、複数の特典を利用できるか検討した方が良いでしょう。
八方美人なクレカなので特典を複数組み合わせて
このように多様な特典を備えたdカードPLATINUMですが、それなりの年会費がかかるため特典を1つ利用するくらいでは元が取れないので、複数の特典を組み合わせ、確実に年会費29,700円を上回るメリットを享受できるよう計画することが重要です。特典をフル活用できれば相当お得だと思います。
お得さを実感できる利用者は一部
逆に言うと、お得に使える条件を満たす利用者が限られていることが、このクレカの最大の戦略であるように感じています。それは、dカードPLATINUMのターゲットらしき層が広すぎるという意味です。本記事では、あえてこの様態を”八方美人”と表現してみました。
例えば、ニュース記事によるとdカードPLATINUMの目標会員数は100万人と高い水準に設定されており、前田社長からは、年間100万円以上の利用なら特典の組み合わせでおトクだという説明があったようです。しかし、たった1種類のクレカで、年間利用金額が100万円から400万円(年間ご利用額特典の上限)までの方がすべて得をするという設計はさすがに無理がありますよね。
年会費29,700円を大きく上回るメリットを享受できる利用者は一部だと思います。
もちろん、それなりの計画を立てればお得です。
目安は毎月20万円(年間240万円)の利用
繰り返しになりますが、dカードPLATINUMの特典のうち、ドコモのサービスやマネックス証券の利用については、毎月のショッピング利用金額によって還元率が変わりますので、最大の還元率を適用するために必要となる毎月20万円(年間240万円)の利用は意識しておきましょう。
なお私の想定では、平均的な30代~50代の3人以上で暮らす世帯が、できる限り支出をクレカにまとめた場合の金額が300万円くらいなので、上記の年間240万円を上回ります (居住地域等、様々な要因によって数値は変わりますので、おおよその目安として)。支出を整理すればこの金額に到達するケースは多いと思います。
この想定の元データ等については、以下をご覧ください。
まとめ
多様な特典を備えたdカードPLATINUM、よく利用するサービスや趣向等によって活用スタイルが異なり、享受できるメリットも大きく変わりそうなので、ちょっと考えてみました。