古いiPhone(iOS)のサポート終了に関する一次情報(Apple公式)

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Appleは “サポート終了” という言葉を使っていませんが、古い iPhone (iOS) ではハードウェア修理やソフトウェア修正を利用できなくなり、それが実質的に “サポート終了” に相当するものとされています。

本記事では、古い iPhone (iOS) のサポート終了に関する情報を確認する方法についてまとめておきます。

記載してある情報は、主にApple公式ページの内容に基づいており、その出典を添えています(英語ページについてはなぜかen-us(US)のページが表示されなかったのでen-ca(カナダ)のページを掲載)。またiPhone本体等の商品については各ECサイトへのリンク(AmazonならApple正規ストア)も掲載しています。

本記事の内容は、個人的な調査結果や経験、推測、感想に基づいています。
正確かどうか、最新かどうかについては適切な情報をご確認ください。

目次

サポート終了を確認する際の観点

本記事では、iPhoneやiOSのサポート終了を確認する観点として、以下の項目に着目します。

スクロールできます
項目影響分類呼称 (英語)
1. iPhoneの修理故障時等の復旧ハードウェア修理service and parts
2. iOSの対応機種
(アップグレード含む)
新機能対応等システム要件major software upgrades
3. iOSのアップデート機能、セキュリティ修正ソフトウェア修正minor software updates
4. iOSの緊急セキュリティ対応セキュリティ修正ソフトウェア修正Rapid Security Responses (RSR, supplemental updates)

1.のiPhoneの修理に関する項目は、Apple製品の修理サービス(英文)のことです。

2.~4. の iOS に関する項目は、3つのバリエーションがある広義のソフトウェアアップデート(英文)に沿って区別しています。3つのバリエーションとは、アップグレード(iOS17等、整数バージョン)、アップデート(iOS17.1等、小数点のつくバージョン)緊急セキュリティ対応(iOS 16.5.1 (a)等、アルファベットのつくバージョン)のことです。

それぞれの観点の詳細については後述します。

サポート終了による影響

簡単なおさらい程度ですが、特に実用上問題がある影響として、故障時等の復旧ができなくなる点(1.)や、セキュリティ修正の適用ができなくなる点(3.、4.)が挙げられます。

修理できなくなったiPhoneは壊れても直せません。壊れ方によっては、バックアップされていないデータを最悪ロストする可能性もあります。また、Appleが公式にアナウンスしている訳ではありませんが、古いバッテリーの劣化等に関して、安全性の面で気にされる方もいらっしゃると思います。

セキュリティ修正がリリースされなくなったiPhone(iOS)は、脆弱性があっても対処ができません。状況によっては、セキュリティ上の問題が生じる可能性もあります(一般的に、自身が被害を受けるだけでなく、意図せず攻撃者(加害側)として振る舞うことになってしまう可能性があります)

その他、個々のアプリが古いバージョンのiOSのサポートを終了し、使用できなくなる場合もあります。これは、サードパーティのアプリケーション等のシステム要件において、古いバージョンのiOSに対応しなくなるケースを指します。

1. iPhoneの修理

ハードウェア修理のサポートについての詳細を確認していきます。

少なくとも、そのモデルの販売終了から5年間は、Apple正規の修理サービス等を利用できます。

詳細はApple製品の修理サービス(英文)に記載され、期間が明確に示されています。

  • その製品の販売店への供給を停止してから最低5年間は、Apple正規のサポートにおいて修理サービスを受けたり部品を入手したりできます。
  • 5年以上7年未満の場合はビンテージ製品であり、”Apple社に部品の在庫が残っていれば、修理ができることがある”(出典:Apple正規サービスプロバイダのカメラのキタムラ) という扱いになります。
  • 7年以上の場合はオブソリート製品であり、Apple正規の修理サービスは提供されません。

ただし、販売店への供給を停止した日を調べづらいのが難点です(例:iPhoneの新モデル発売時に旧モデルがApple公式サイトで販売されなくなったことの確認をもって代替する等)。例えば、iPhone 16の発売は2024年9月ごろと噂されているので、そのタイミングで古いモデルの供給が停止されるかと思います。

なお、ビンテージ製品およびオブソリート製品の修理を受け付けている非正規の修理サービスはあるかもしれません。

ビンテージ製品のiPhone

全世界での iPhone のビンテージ製品は以下です(2024年8月時点)。最新情報は公式サイトをご確認ください。

  • iPhone 4 (8 GB)
  • iPhone 5
  • iPhone 6
  • iPhone SE
  • iPhone 8 Red
  • iPhone 8 Plus Red
  • iPhone X

オブソリート製品のiPhone

全世界での iPhone のオブソリート製品は以下です(2024年8月時点)。最新情報は公式サイトをご確認ください。

  • iPhone
  • iPhone 3G (中国本土) 8 GB
  • iPhone 3G 8 GB、16 GB
  • iPhone 3GS (中国本土) 16 GB、32 GB
  • iPhone 3GS (8GB)
  • iPhone 3GS 16 GB、32 GB
  • iPhone 4 CDMA
  • iPhone 4 CDMA (8GB)
  • iPhone 4 16 GB、32 GB
  • iPhone 4 GSM (8 GB)、ブラック
  • iPhone 4s
  • iPhone 4S (8 GB)
  • iPhone 5c
  • iPhone 5S
  • iPhone 6 Plus
  • iPhone 6s (32 GB)
  • iPhone 6s Plus (32 GB)

2.~4. iOSのソフトウェアアップデート

次に、iOSのソフトウェアアップデート(広義)についての詳細を確認していきます。

iOSのソフトウェアアップデート(広義)に関しては、前述のハードウェア修理の場合と異なり明確なサポート終了時期等の条件(サポートポリシー)がAppleから示されている訳ではありませんが、直近の状況としてそれなりに古いモデルのアップグレードが可能で、またそれなりに長期間セキュリティ修正を含むアップデートが提供されているようです。

それなりに古いモデルも、iOSのアップグレードに対応 (2.)

例えば直近でアップデートが提供(後述)されているiOS 15は2021年9月にリリースされた2世代前のバージョンですが、発売から9年近く経過しているiPhone 6s発売から7年間近く経過しているiPhone Xといった、それなりに古いモデルにも対応しています。

ここ約10年間ほど、iOSは毎年9月にメジャーソフトウェアアップグレードがリリースされています(次も同様なら2024年9月にiOS 18)。そのタイミングで、新しいバージョンのiOSに対応するiPhoneのモデル一覧に含まれないものは、iOSのアップグレードを行えなくなりますので、それをもってアップグレードに関してはサポート終了になったと解釈できます(アップグレードできなくても後述のアップデートはその後もしばらく提供されています)

以下、iOS15~iOS17に対応しているiPhoneのモデルを順に記載しておきます。赤線で示した箇所が、次のiOSバージョンで対応しなくなっているモデルです。

出典:iOS 15.5をサポートしているiPhoneのモデル – Apple サポート (日本)
※当サイトにて赤線にて注釈
出典:iOS 16をサポートしているiPhoneのモデル – Apple サポート (日本)
※当サイトにて赤線にて注釈
出典:iOS 17に対応しているiPhoneのモデル – Apple サポート (日本)
※当サイトにて赤線にて注釈
出典:iOS 18プレビュー – Apple(日本)
※2024年8月時点

iOS 18についても古い機種が引き続きサポートされる予定(iOS 17と変わらず)ですが、注目されている機能である “Apple Intelligence”についてはApple iPhone 15 Pro (128 GB)もしくはApple iPhone 15 Pro Max (256 GB)が必要です。もちろん今後リリースされるであろうiPhone 16でも利用可能なはずです。

余談ですが、上記の日本語ページでは、iOS 16までは”サポート”、iOS 17では”対応”という言葉が使用されており、英語ページではiOS 13までは”supported”、iOS14からは”compatible”という言葉が使用されています。つまり、”supported”から”compatible”に表現を変更している点と、日本語ページと英語ページで表現の切り替えタイミングに差異がある点を確認できます。

このように、それなりに古いモデルのiPhoneもiOSのアップグレードに対応していることが分かります。

それなりに長期間、iOSのアップデートを提供 (3.~4.)

例えば直近では、2024年7月29日にセキュリティ修正を含むアップデート、iOS 17.6iOS16.7.9、iOS15.8.3がリリースされています。iOS 15~17に対してアップデートが提供されたということです。

出典:Apple のセキュリティリリース – Apple サポート (日本)
出典:Apple のセキュリティリリース – Apple サポート (日本)

iOS15.8.3については、前述のとおり発売から9年近く経過しているiPhone 6s発売から7年間近く経過しているiPhone Xに対応したiOS 15に対してリリースされたアップデートです(どの脆弱性に対処したのか公開情報が見当たりませんが、iOS16系、iOS17系と共通かと思われます)。iPhone 6sやiPhone XはiOS 16以降に対応していませんが、iOS 15のままでもセキュリティ修正を適用できているということです。

なお、iOS17.6についてはリリースノートも公開されており、セキュリティ修正以外にバグ修正も含むことを確認できます(iOS16.7.9、iOS15.8.3はリリースノートなし)

iOS 15は2021年9月にリリースされた2世代前のバージョンなので、本記事作成時点では直近3世代分のセキュリティ修正が提供されていることになります(すべての脆弱性に対応できているかどうかの判断はできませんが)。なお、iOS 18のリリース後もiOS 15系のセキュリティ修正が提供されるのかどうかについては、Appleのポリシーが不明なため推測しづらいところです。ちなみに、アプリの方が先にサポート終了を公表するケースもあります(Yahoo! JAPANアプリが2024年6月上旬に提供のバージョンにてiOS 15のサポートを終了)

このように、それなりに長期間、iOSのアップデートが提供されていることが分かります。

iPhone、iOSのサポート終了の扱い方 (感想)

個人的な感想です。

ハードウェア修理については、故障時に困らないような使い方ができていれば修理できなくても大きな支障は無いかと思います。バックアップや用途の限定、予備機の確保等、自身で気を付けることができます。またバッテリーの状態には気を付けたいところ。

iOSのアップグレードについては、それなりに古いモデルのiPhoneもiOSのアップグレードに対応しているという点が特徴的かと思います。特に、今後リリース予定のiOS 18についてもiOS 17と同じ機種が引き続きサポートされる予定である点は意外でした。

一方で、iOSのアップデートについては、Appleがサポート終了日を明示していない点がネックとなり見通しを立てづらいですが、直近の実績としてはiOS 15~17に対してアップデートが提供されています。セキュリティ対策という意味では、このアップデートの提供状況をきちんと把握しておく必要性があります。

iPhoneの買い替えに際しては、下取りの活用やAppleギフトカードの買い足しにより、それなりにお得になると思います。下取りの活用については、新機種が出るたびに手元の1世代前のモデルを下取りに出して買い替えるのは贅沢ですがシンプルな方法です。Appleギフトカードについては、楽天市場のお買い物マラソン等のセール時やメルカード等のクレカで特定日に還元率が上がった際にポイントを貯めながら積立のように買い足しておく方法もあります。

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参考情報等

上記で触れなかった出典について、いくつか掲載しておきます。

iOS (Apple製品) のセキュリティリリース情報
iOSリリース情報
iPhone各モデルの一覧 (公式)
iPhone各モデルの一覧 (Wikipedia)

公式ページではありませんが、Wikipediaに表があります(まとまっていて見やすい)

出典:iPhone – Wikipedia
iOSバージョンの一覧 (Wikipedia)

公式ページではありませんが、Wikipediaに表があります(まとまっていて見やすい)

出典:iOS version history – Wikipedia
iOS14以降の箇所のみを抜粋

まとめ

本記事では、古い iPhone (iOS) のサポート終了に関する情報を確認する方法についてまとめてみました。

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