OA3 DPKが保存されているMSDMテーブル(ACPI)
以下の記事を作成した際にWindowsのOA3 DPKについて調べたときに、ACPIの仕様書にあるMSDMテーブルの記載を確認しました。
本記事は、そのあたりをまとめたものです。
基本
経緯
OA3 DPKは、System Locked Pre-installation(SLP)を実現するためのMicrosoftの仕様の1つです。
SLKは、OEM Activation(OA)とも呼ばれます。
Wikipediaによると、SLPはMicrosoft Windows XP(実際はME)から実装され、バージョンアップを経てWindows8以降はSLP 3.0(OA 3.0)が使用されています。SLP 3.0は以前のバージョンとの違いが大きいため、Digital Marker(DM)と呼ばれるそうです。
OA3 DPKは、ACPI経由でアクセス可能なファームウェア内のテーブルのうち、MSDM(Microsoft Data Management)に格納されます。
本記事では、この仕様について書かれた資料についてまとめていきます。
ACPIの仕様
ACPIは”Advanced Configuration and Power Interface”の略で、最初の仕様はインテル、マイクロソフト、東芝によって策定され、1997年に発表されました(日本企業が策定に携わっていたんですね)。
現在は、UEFI Forumによって管理されています。
改版が重ねられており、最近では2022年8月にACPI6.5がリリースされています。
ACPIは、OSとマザーボード上のファームウェアの間のインタフェースです。
その仕様では、コンピュータの電源制御や構成管理について定義されています。
最新の仕様は、Advanced Configuration and Power Interface (ACPI) Specification Release 6.5から参照できます。
PDFで1000ページ以上あり、膨大な情報量です。
詳細
WindowsのOA3 DPKが保存されているMSDMテーブル
MSDMテーブルについての説明は、ACPI 6.5仕様書の”Table 5.5: DESCRIPTION_HEADER Signatures for tables defined by ACPI”に、”Microsoft Data Management Table. See Links to ACPI-Related Documents under the heading “Microsoft Software Licensing Tables”.”と記載があります。
“DM”の部分は、”Digital Marker”と説明されているサイトもあるようですが、ACPI仕様書やMicrosoftのページによると、”Data Management”が正しそうです。
上記の”See Links”を辿っていくと、Microsoft Software Licensing Tables (SLIC and MSDM)からWord文書(“Microsoft Software Licensing Tables (SLIC and MSDM)”)をダウンロードできます。
このWord文書に、基本的なMSDMテーブルの定義が記載されています。
ただし、DPKが格納される”Software Licensing Structure”フィールドの詳細については、OEM向けのサイトを参照するよう記載されています。このサイトのコンテンツはOEM登録しないと閲覧できないようです。
参考までに、MSDMテーブルをサードパーティツールで確認した際の例は以下です。
まとめ
本記事では、WindowsのOA3 DPKについて調べた際、ACPIの仕様書にあるMSDMテーブルの記載を確認した結果をまとめてみました。
- 古いPC、中古PCのこと
- Windowsライセンスのルールのこと
- Windowsライセンスの実装のこと