GA4 (GTM) の内部トラフィック設定が Safari からのアクセス時に効かない
また “自分のアクセスがGA4で集計されてしまっている…” と思って調べてみたところ、Safari の機能によるものでした。
本記事では、GA4 (GTM) の内部トラフィック設定が Safari からのアクセス時に効かないという動作の概要と、該当の設定箇所についてまとめます。
GA4における内部トラフィックの設定
GA4では、”内部トラフィック”の設定として、特定のIPアドレスからの通信をアクセス解析の対象から除外することができます。
つまり、自分が測定対象のWebサイトにアクセスする際に使用するソースIPアドレスを”内部トラフィック”に設定することで、そのアクセスに関する情報は、解析のための集計から除外されます。
Webサイト編集時に自己チェックする際等のアクセスは集計したくない場合には、この”内部トラフィック”の設定が必要です。
なお、”内部トラフィック” の設定にマッチするかどうかの判定は、GA4やGTMへのアクセス時に使用されるソースIPアドレスに対して行われます。
詳細は以下の記事に記載してあります。
GA4 (GTM) の内部トラフィック設定が Safari からのアクセス時に効かない
環境としては、GTM経由でGA4を使用していますが、GA4単独でも同様のはずです。
また、端末側は iPhone を使用していますが、iPad や macOSでも同様のような気がします。
IPアドレスを非公開 の設定
具体的には、以下の設定により、Safari 経由で GA4 (GTM) へのアクセス時にソースIPアドレスが変わってしまいます。
設定
→Safari
→IPアドレスを非公開
この設定が、オフ
の場合、GA4 (GTM) へのアクセス時にソースIPアドレスが変わることはありません。
この設定が、トラッカーに非公開
の場合には、GA4 (GTM) へのアクセス時にソースIPアドレスが変わるようです。最初からそうだったのか、どこかのタイミングでそうなったのかは不明です。また、私が自分で設定を変えたかもしれないので、デフォルト値がどうなっているかも不明です。
画面としては、以下です。
一応、英語版も。
なお、iCloud+ のサブスクリプション契約がある場合には、プライベートリレーという機能を使えるため、さらにトラッカーとWebサイト
という設定を選択することができるはずです。
IPアドレスを非公開 による動作
上記のIPアドレスを非公開
が、トラッカーに非公開
になっている場合、Safari (というかおそらくプライベートリレー) によってアクセス先が “トラッカー” として分類される通信は、プライベートリレー用のシステム (プロキシ) を経由することになります。
アクセス経路が変わるので、アクセス先から見ると、もともとのソースIPアドレス (その端末や自宅ネットワークからインターネットアクセスに使用するもの) からのアクセスでなく、経由したプライベートリレー用のシステムのIPアドレスからのアクセスとなります。
プライベートリレー経由のアクセス時に使用されるソースIPアドレスのリスト (egress-ip-ranges.csv) は以下に公開されています。
日本語ページでもリストへのリンクが貼られているのですが、リンク先URLの最後に余計な “/” があるため、この “/” を自分で削除しないとアクセスできません。
GA4 (GTM) へのアクセスはトラッカー扱い
GA4 (GTM) へのアクセス (FQDN単位なのかパスやファイル単位なのか、どの粒度で判定しているのか分かりませんが) については、”トラッカー” へのアクセスとして分類されるようです。
GA4 (GTM) の利用者 (当サイトのようなWebサイト管理者) としては、ソースIPアドレスを確認することはできないのですが、このIPアドレスを非公開
が有効になっている Safari からアクセスした際には、”内部トラフィック” の設定が効かず、GA4 (GTM) のリアルタイムの画面等でアクセスの様子が集計されてしまいます。そのため、GA4 (GTM) へのアクセスは、”トラッカー” へのアクセスとして分類されていると判断できます。
逆に、IPアドレスを非公開
が無効の場合には、”内部トラフィック” の設定が効いて、GA4 (GTM) の集計には含まれません。
GA4 (GTM) へのアクセスが、トラッカーへのアクセスとして分類されることに関して、特に異論はありません。
ちなみに、もちろん当サイトへのアクセス自体は、トラッカーへのアクセスとして分類されることはありません。
対処するかどうか
自分のブログ記事をスマホから確認しておきたい場合に、GA4 (GTM) で集計されてしまうのは、統計に余計なデータが混じってしまうので望ましくありません。
ただ、トラッキング対策という面では、IPアドレスを非公開
が有効な方が良いです。
上記を勘案した結果、IPアドレスを非公開
は有効なままにすることにしました。スマホでのチェックをそんなに頻繁にする訳ではないので、トラッキング対策優先で。
参考
まとめ
本記事では、GA4 (GTM) の内部トラフィック設定が Safari からのアクセス時に効かないという動作の概要と、該当の設定箇所についてまとめてみました。