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(9) OpenELA発足 (CIQ, Oracle, SUSE)

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Red Hat社が、従来は一般公開されていたRHELのソースコードを顧客やパートナーにのみ提供するよう方針変更しました。

その後、CIQ, Oracle, SUSEによりOpenELAという業界団体が設立されたので、本記事にまとめます。

RHELソースコードの一般公開停止の件の概要は、以下の記事にまとめてあります。

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目次

OpenELAの設立

2023年8月10日、CIQ, Oracle, SUSEの3社がOpenELAの設立について発表しました。

各社のプレスリリースは以下です。発表内容は同じです。

Enterprise Linuxの業界団体

OpenELAとは、”Open Enterprise Linux Association” の略です。

オープンソース Enterprise Linux の trade association (業界団体) とのことです。

OpenELA is a trade association of open source Enterprise Linux distribution developers founded in support of the spirit of open source to create continuity for all Enterprise Linux downstream distributions.
 
出典:OpenELA

ミッションはELのソース提供

そのミッションとして、Enterprise Linuxのソース提供を掲げています。

Our mission is to provide a secure, transparent, and reliable Enterprise Linux source that is globally available to all as a buildable base.
 
出典:OpenELA

今年の後半からソース提供予定

今年の後半から、RHEL互換ダウンストリームに必要なソースの提供を始めるようです。

当初はEL8、EL9に対応したRHELが対象です。EL7についても対象となる可能性があります。

Starting later this year, OpenELA will provide sources necessary for downstreams compatible with RHEL to exist, with initial focus on RHEL versions EL8, EL9 and possibly EL7. The project is committed to ensuring the continued availability of OpenELA sources to the community indefinitely.
 
出典:OpenELA

OpenELAのスタンス

まだ具体的な説明は少ないのですが、プレス記事から読み取れる方針や、あるいは私が勝手に推測した意向をいくつか挙げておきます。

淡々とRHEL互換ソースを提供&ちょっと皮肉?

私の理解としては、OpenELAはそのミッションに沿って淡々とRHEL互換ソースを提供していくと思いますが、プレス記事中、少し皮肉っぽい表現も見受けられます。

OpenELAの成果物

OpenELAの成果物 (Deliverables) として、以下が挙げられています。

  • All sources necessary to achieve a 1:1 / bug-for-bug compatible version of EL which will be distributed via Git encouraging community collaboration
  • Security errata data
  • Compatibility guidelines for downstream distributions to test their build results
  • A branding kit for all downstream distributions and supporters
  • User and Administration Documentation (Oracle contribution)
     
    出典:OpenELA

1:1 バグ互換を目標としたソースの提供 (Git経由)、ダウンストリームディストリビューション向けの互換性ガイドライン、ドキュメント (Oracle) 等です。

この記載によると、ドキュメントはOracle社が主体のようです。

"フリーローダー" も歓迎

以前、Red HatがクローンOSやその利用者を批判的に表現した “freeloaders” という言葉も用いられており、歓迎することが明言されています。

We enthusiastically encourage the broader community to participate and welcome all contributors (and “freeloaders”).
 
出典:OpenELA

図に描かれた意味深な分岐

各社のプレス記事や X (旧Twitter) には以下のような画像が添えられています。




出典:CIQ, Oracle and SUSE Create Open Enterprise Linux Association for a Collaborative and Open Future | SUSE

左側に警告マーク があります。

特に説明は見当たりませんが、アップストリーム (CentOS Stream) からのソースコードの分岐を表しているのでしょうか。

警告マーク はRed Hat側、他方はOpenELA、という意味かもしれませんね。

伏線回収

これまでの伏線的なものが、今回のOpenELA設立によりまとまった感じもするので、振り返ってみます。

SUSEの発表から

ちょうど1か月ほど前に、SUSEは新たなRHEL互換ディストリビューションの開発、保守に1000万ドル超を投資する旨を発表しています。

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この時点で、SUSEによる上記の発表に対し、CIQ の Gregory Kurtzer氏がコメントを添えていたので、OpenELA設立の準備が着々と進んでいたのだと思います。

なお、SUSEが発表した新ディストリビューションの開発や保守自体については、SUSEが独自に推進していくのかどうか、またそのディストリビューションの土台となるソースコードとして今回のOpenELAの成果物を活用していくのかどうか、については特に言及されていません。

Rocky Linuxの発表から

Rocky Linuxの方も、RHELのソースコード公開停止直後の発表で、”developing the longer term strategy” と明言していました。

While this decision does change the automation we use for building Rocky Linux, we have already created a short term mitigation and are developing the longer term strategy. There will be no disruption or change for any Rocky Linux users, collaborators, or partners.
出典:Rocky Linux Expresses Confidence Despite Red Hat’s Announcement

この “the longer term strategy” や、直近のRocky Linux側の強気なコメントは、このOpenELA設立に繋がっていたように思います。

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Oracle の動き

Oracleとしても、Linux 分野でRed Hat (IBM) と競合できる構図を作るという意味では、ブレないスタンスで積極的かつ精力的な動きを続けてきたように思います。

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(参考) SUSEの講演

直近のEnterprise Linuxに関するSUSEの講演でも、この件について触れられています。

今回のOpenELAの設立は、SUSE Linux Enterprise (SLE) やAdaptable Linux Platform (ALP) といった自前のソリューションから撤退するという意味ではありません。

むしろ、複数のLinuxディストリビューションのサポートを意識したSUSE Manager やSUSE Liberty Linuxといったソリューションのニーズ強化につながる動きとも言えるでしょう。

SUSE Manager やSUSE Liberty Linux

SUSEは以前から “SUSE Manager” というLinux管理ツールや、”SUSE Liberty Linux” というサービスを提供しています。

SUSE Manager は多くのLinuxディストリビューションをサポートしています。




出典:SUSE ManagerのProduct Flyer

SUSE Liberty Linuxも、SUSE系以外にRHEL、CentOSも混在する環境をサポートできるというユニークなものです。

これらの事業にとって、今回のOpenELAの方針は協調しやすいものになるでしょう。

Enterprise Linux エコシステムの構図の変化

OpenELA設立をきっかけに、Enterprise Linux エコシステム というものがあるならば、その構図が変化していくかもしれません。

Red Hatもさすがに無視 (したふりはできたとしても、完全な無視) はできません。

もちろんこの一連の流れの主題は、RHEL互換OSへのオープンかつ安定的なアクセスに関するものです。

しかし、その主題に関連して、エンタープライズ向けLinux市場という観点でも、ディストリビューションシェアやパワーストラクチャー、顧客ニーズを少しずつ動かしていくように思います。

まとめ

本記事では、RHELソースコードの一般公開停止に関し、CIQ, Oracle, SUSEによりOpenELAという業界団体が設立された件をまとめてみました。

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