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(7) FOSSYでのRHELに関するパネルディスカッション (SFC)

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Red Hat社が、従来は一般公開されていたRHELのソースコードを顧客やパートナーにのみ提供するよう方針変更しました。

OSS関連のカンファレンス、FOSSY 2023のKeynoteでも、この件に関するパネルディスカッションがあったようです。本記事にまとめておきます。

RHELソースコードの一般公開停止の件の概要は、以下の記事にまとめてあります。

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Stable Diffusionで作成
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目次

FOSSY 2023

FOSSY (Free and Open Source Yearly) は、Software Freedom Conservancy (SFC) が主催する、無償OSSに関する年次のカンファレンスです。

FOSSY 2023は、2023年7月13日~16日(米国)にポートランドで開催されました。

RHELに関するパネルディスカッション

FOSSY 2023のうち、7/14のキーノートでRHEL Panel Discussionがありました。

今回のRHELソースコードの公開停止に関するパネルディスカッションです。

※Youtube上の動画では再生時に字幕をオンにできます。

パネリスト

パネリストは以下4名です(アルファベット順)。

  • Jeremy Alison, software engineer at CIQ (focused on Rocky Linux) and Samba co-founder
  • Bradley M. Kuhn, policy fellow at SFC
  • benny Vasquez, the Chair of the AlmaLinux OS Foundation
  • James (Jim) Wright, Oracle’s Chief Architect for Open Source Policy, Strategy, Compliance, and Alliances

RHEL互換OS勢が集結

RHEL互換OSを提供するRocky Linux (CIQ)、AlmaLinux、Oracle、それぞれの立場の人が集まりました。

一方、Red Hat 在籍中の立場の人は…いません。Red Hatに対し繰り返し出席を要請したものの、返事が無かったと記載されています (この状況で出席したらすごいですが)。

※ちなみに、Red HatはFOSSY 2023のスポンサーのリストに載っています。にもかかわらずこの件に関して返事も無いということですね。

なお、先日RHEL互換OSの開発を発表したSUSEも招待されましたが、調整がつかなかったそうです。

Red Hat themselves did not reply to our repeated requests to join us on this panel, but we were able to gather the key organizations impacted by Red Hat’s recent decision to cease public distribution of RHEL sources. SUSE was also invited but let us know they were unable to send someone on short notice to Portland for the panel.
出典:RHEL Panel Discussion at FOSSY 2023 – Conservancy Blog – Software Freedom Conservancy

ということで、話題の中心 (現Red Hat) が欠席のパネルディスカッションとなりました。

元Red Hat社員からのコメントも

パネルディスカッション中、元Red HatのKarsten Wadeからのコメントがありました。

彼は、CentOSチームをRed Hatに引き入れた人物ということで、CentOSのビルドプロセスについても把握しているそうです。

One interesting audience question for the panel came from Karsten Wade, a one-time Red Hat senior community architect who left Red Hat in April after 21 years, but said he was “responsible for bringing the CentOS team onboard to Red Hat.” Wade argued that CentOS “was always doing a clean rebuild from source RPMS of their own…” So “isn’t all of this thunder doing Red Hat’s job for them, of trying to get everyone to say, ‘This thing is not the equivalent to RHEL.’
出典:RHEL Response Discussed by SFC Conference’s Panel – Including a New Enterprise Linux Standard – Slashdot

CentOSは、独自のSRPMソースから作られていたという話です (clean rebuild)。

これは、RHELのSRPMを流用して作られる場合に比べ、RHELとの違いも生じやすくなるという意味かと思います。

このビルドプロセスについて、” ‘(CentOSが) RHELと同じではない’ と皆に言わせようとしている ” ということを指摘しています。

互換OSとは

上記のコメントは、ソースコードがあれば必ずRHELと同じものだと言える訳ではないという点や、互換OSが持つRHELとの”互換性”自体を測る基準について、より深く考えるための助けになる示唆だと思いました。

その後、CIQ (Rocky) のJeremy Alisonは、その互換OSが十分なものかどうかを決めるのは顧客だという形でまとめています。

none of us here are the arbiters of whether it’s good enough of a rebuild of Red Hat Linux. The customers are the arbiters of is this good enough for our purposes. And customers who really need absolute and complete fidelity? Buy Red Hat. That’s what I would say. Go out there, give them money, get the real thing. You know, if you can live with something that’s close, then there are alternatives.
出典:RHEL Response Discussed by SFC Conference’s Panel – Including a New Enterprise Linux Standard – Slashdot

このあたりのトランスクリプト

上記のやり取りは、RHEL Response Discussed by SFC Conference’s Panel – Including a New Enterprise Linux Standard – Slashdotにトランスクリプトがあります。

Oracleのポジション

このパネルディスカッションだけでなく、今回のRHELソースコードに関する一連の流れの中で、少なくない人がやんわりと感じているかもしれないOracleのポジションに対する違和感?についてもメモしておきます。

RHELに対する指摘をまとめたスライド

Oracleから、今回のディスカッションに合わせて、Red Hat Enterprise Linux: Is This Open Source?にてスライドが公開されています。

RHELのOSSへのスタンスに対する指摘をまとめたスライドです。

Red Hat自身が述べるOSSの定義との矛盾を指摘

このスライドでは、Red Hat自身が、OSSは誰でもそのソースコードを見る、変更する、配布することができるものだと述べているにもかかわらず、今回のRHELソースコードの一般公開を停止したことは矛盾している、という指摘がまとめられています。

Open source is a term that originally referred to open source software (OSS). Open source software is code that is designed to be publicly accessible—anyone can see, modify, and distribute the code as they see fit.
出典:Red Hat: What is open source?

今回の件を簡潔に、かつRed Hat公式サイト (当事者) の一次情報も確認しながら知る上ではとても分かりやすいです。

ただ、Oracle単独でこのような資料を公開されていると対企業での攻撃的なニュアンスも感じてしまいますが。

参照するRed Hat公式サイト上のURL

このスライドでは、参照先として以下のURLが挙げられています。

少し古い資料にRHELビジネスモデルの端的表現

上記のうち、最後のURLはファイル名の最後が “20171117” で、少し古い資料が参照されています。またRed Hat公式サイト上でも、この資料に対するリンクは既に無いように思われます(本記事作成時点)。

この資料はRHEL専用のものではなく、クラウド向けのSUBSCRIPTION SERVICES AGREEMENTです。

印象に残った点として、この資料には、表現がキツめにも見える文章があります(過去の資料ということであれば、ありました)。

Distributing the Subscription Services (or any portion) to a third party outside the Portal or using the Subscription Services to support a third party without paying the respective fees is a material breach of this Agreement even though the open source license applicable to individual software packages may give you the right to distribute those packages (and this Agreement is not intended to interfere with your rights under those individual licenses).
出典:Red Hat Cloud Subscription Terms:

OSSのライセンス(GPL等)で認められていたとしても、(再配布等は)この規約にとって重大な違反になるという言い方ですね。

しかしさらに、”この規約は、個々の(OSSの)ライセンスを妨げることを意図したものではない” とも付け加えられており、独特のニュアンスを醸しています。

これは、RHELのビジネスモデル (の一面) を端的に表現しているように思います。

その他、規約関連の私の認識は、以下の記事にまとめてあります。

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(余談) GPLの番犬はRockyとAlmaだと言われ

SFCのBradley M. Kuhnは、かつてCentOSが “GPLの番犬(watchdog)” だったと述べた上で、以下のようにコメントしています。

Now I have two other watchdogs to talk to, Alma and Rocky. (I’m not counting you Jim. Sorry.)
出典:RHEL Response Discussed by SFC Conference’s Panel – Including a New Enterprise Linux Standard – Slashdot




SFC Bradley M. Kuhnの “I’m not counting you Jim. Sorry.”

出典:FOSSY 2023 — Keynote, RHEL Panel Discussion — Friday 14 July 2023 – YouTube

Rocky LinuxとAlmaLinux、そして暗にOracle Linuxの3者を、”GPLの番犬” という意味合いにおいてSFCが比較すると、(ジョーク気味?ではあるものの) 上記コメントになったと理解しています。

微妙ですね。

その他の関連記事

iTWire – RHEL source availability: Questions over whether Red Hat is violating GPL

まとめ

本記事では、RHELソースコードの一般公開停止に関し、OSS関連のカンファレンス、FOSSY 2023でのパネルディスカッションについてまとめてみました。

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