【購入】日本円でJPYC発行し取引所を介さずに暗号資産を購入
日本円を元手に暗号資産を購入するための手段の1つとして、JPYCの発行を活用したルートがあります。
先日、JPYC償還による暗号資産の換金についてXに投稿したところ意外と反響が大きかったのでそのブログ記事も作成したのですが、償還だけでなく発行についても紹介しておきたかったため、この記事にまとめておきます。お正月ですし(?)。
JPYC の発行額(時価総額、累計発行額)の増加も応援したいところなので、興味&機会がありましたらJPYC発行をお試しください。
取引所に入金して暗号資産を購入するルートでなくJPYC発行ルートを経由すると、流通するステーブルコインのうち日本円建てのものの時価総額やシェアの増加とともに間接的にJPYCの裏付け資産の一部を構成する日本国債の買い支えにもつながります(とは言っても1件1件の額はわずかですし、また全体としてその延命策的な構造にはデメリットもあるでしょうが、そういった一連の理解も大事かなぁと思います)。JPYCの認知度や流動性の向上、ユースケースの増加にも期待しています。
市場の規模
出典:ステーブルコインとは?種類や日本における整理、仕組みなどをわかりやすく解説 │DX用語辞典 │ DX-link(ディークロスリンク)- 三井住友フィナンシャルグループ
2025年9月の時点で約3,000億ドル(約44兆円)分のステーブルコインが発行・流通済みです。発行・流通残高が多いステーブルコインはテザー社が発行するUSDTと、サークル社が発行するUSDCで、全体の8割強を占めている寡占の状況です。
インフラとしては早く作っておかないといけない。やや刺激的な発言になるが、米国発のステーブルコインが日本で広く流通して、例えばビットコインを買うために多くの人が使うようになると、日本は通貨発行権の一部を失うことになりかねない。
出典:ステーブルコインとは?種類や日本における整理、仕組みなどをわかりやすく解説 │DX用語辞典 │ DX-link(ディークロスリンク)- 三井住友フィナンシャルグループ ※三井住友フィナンシャルグループ 磯和啓雄氏(執行役専務 グループCDIO)の発言

ユースケース
以下のようなユースケースにおいて、日本円を元手に JPYC を発行することにより国内取引所(CEX)を介さずにプライベートウォレット等で暗号資産を購入できます。つまり、暗号資産の購入の原資(の入り口)として JPYC を使えます。
- 日本円を元手に、何かしらの暗号資産を購入したい
- プライベートウォレット等を利用している(※)
- わざわざ国内取引所(CEX)を経由したくない
※プライベートウォレットと DEX/DeFi を利用、あるいは日本円での入出金ができない取引所(海外取引所も含む)を利用しているケースを想定しています。日本国内の暗号資産取引所(暗号資産交換業者)のみを利用している場合には、日本円での出金に対応できているはずなので、本記事のルートを利用するメリットは無いはずです。
ビットコインでもイーサリアムでも、その他アルトコインでもステーブルコインでもミームコインでも草コインでも何でも良いのですが、パブリックチェーン上で取引できる暗号資産(コイン、トークン(FT/NFT))を購入したくなったときのために知っておくと良いルートかと思います。
JPYCは発行時の手数料が無料なのでオンチェーンの取引コストのみの負担で購入可能です。なお、銀行振込時の振込手数料は利用者の負担なので、振込手数料が無料の銀行を利用するという前提です(私はSBI新生銀行やV NEOBANKを使ってます)。
また、本記事ではプライベートウォレットとして私が利用している Bitget Wallet の場合を例に説明をしますが、同様の取引(DEXでのスワップ等)ができるウォレットであれば実現できます。試してはいませんが MetaMask など。HashPort Wallet とかもどうなんだろう。
JPYC償還で取引所を介さずに暗号資産を日本円に換金
まずは、本記事で説明するルートの概要について。

以下の順で交換等を行います。
日本円(自分の銀行口座) → JPYC発行 → USDC(※) → ○○コイン
※○○コインが JPYC と直接交換できるなら USDC をスキップして OK です。また、○○コイン に交換できるものであれば、USDC の代わりに別のものを経由してもOKです。その時点でお使いの DEX 環境や流動性/交換レート/取引コスト等に応じてご判断ください。
以下は、上記の取引に必要となる補足情報です。
- ○○コイン
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本記事では、購入したいと思っている何かしらの暗号資産のことを「○○コイン」と呼ぶことにします。
- JPYC EXのアカウント開設
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JPYC の発行/償還を行うためには、JPYC EXのアカウント開設が必要です。本人確認の審査完了後に利用できるようになります。
JPYC EX
JPYC EX – 日本円ステーブルコインサービス JPYCは1円=1JPYCの日本円ステーブルコイン。世界中にいつでも、だれとでも、いくらでも送金可能。JPYC EXで今すぐ始めよう。 - JPYC EXでの発行/償還は1回3,000円以上、1日100万円まで
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JPYC EXでの発行/償還は1回3,000円以上、1日100万円までです。お金持ちの方はご注意ください。
今後、JPYC株式会社が第一種資金移動業者の登録を取得できれば、これらの上限は無くなるものと予想されます。
なお、ウォレットでの保有額や送金額については上限はありません。

出典:JPYC EX - JPYCの発行/償還自体の手数料は無料
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JPYCの発行/償還の手数料は無料です。
オンチェーンでの取引(スワップ/ブリッジや送金)のコストのみを考慮すればOKです。
あわせて読みたい - JPYCのコントラクトアドレス/対応ネットワーク(2025年1月3日時点)
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JPYCのコントラクトアドレスは、
0xE7C3D8C9a439feDe00D2600032D5dB0Be71C3c29
です。
Ethereum、Avalanche C-Chain、Polygonのネットワークに対応しています。
ガス代が安い Avalanche C-Chain、Polygon を利用するのが良いかと思います。それぞれのネットワークのネイティブトークンであるETH、AVAX、POLが基本的に必要です。
最新の情報は公式サイトをご確認ください。
あわせて読みたいあわせて読みたい - JPYCの概要
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記事の最後に記載しておきますので、興味がありましたらご覧ください。
- JPYCから○○コインへの交換
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JPYC を○○コインに交換する必要性があります。
お使いのウォレットやDEX等が対象の通貨ペアのスワップ/ブリッジに対応しているかご確認ください。○○コインから直接JPYCに交換できなくても、USDCなど米ドル建てのステーブルコインを経由すれば交換できるケースがあると思いますので、本記事ではそのようなルートを説明しています。
あと、交換や送金のためのガス代が無い場合は、無料でネイティブトークンを少量もらえるサービスや、ガス代を無料化できるサービスを探してみると良いでしょう。後述しますが、私が Bitget Wallet で試した際にはPOLのガス代が無料でした。
- その他
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JPYC EXで発行、償還のサービスを利用する際には、銀行口座情報の登録が必要です。償還に際しては、日本円を銀行振込で受け取ります(参考)。
また、換金に際しては、暗号資産の利益確定時の所得の取り扱い等について適切にご判断ください。
JPYC発行の実績、コスト等
上記のルートで実際にJPYC発行を実施した際の実績です。
元手は10,000円(10,000JPYC)で取引を開始し、コスト等も例として記載しておきます。ネットワークはPolygonを利用しています。

- 自分の銀行口座からJPYC株式会社に振込
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まず、JPYC EXで発行予約をしてから、自分の銀行口座からJPYC株式会社の指定口座に振り込みます。
発行予約時、ネットワークは Polygon を指定します。
ここでの注意点は、予約した額と送金する額が 1円たりとも違ってはいけないというものです。また、振込名義も完全一致が求められます。
2.入金金額の完全一致
予約された金額と完全に一致する金額を振り込んでください。入金額が一致しない場合、発行は成立せず、全額返金扱いとなります。一部取引成立や一部返金等は行いません。
3.振込名義の完全一致
ご入金に利用される口座の振込名義は、当システムにご登録済みの口座名義(カナ)と完全に一致させてください。振込名義が、口座名義(カナ)と一致しない場合、オペレータによる手動確認が必要となり、ご本人からの入金であることの確認に、お時間をいただく場合があります。
また、ご本人確認ができない場合には、発行は成立せず、銀行での組戻し(返金手続き)をお願いすることがあります
出典:入出金ルール・入出庫ルール① – 日本円を入金する際の注意事項注意事項は一通り確認しておきましょう。通常、組戻しが必要になってしまうと手数料が発生します。
- 自分のウォレットでJPYCを受け取り
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上記の振込から約4分後、自分のウォレットにJPYCが届きました。早い。
このJPYCの送金に関するガス代は、利用者(受け取り側)の負担はありません。
これでJPYCの発行が完了です。
- JPYC(POL) → USDC(POL)
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続いて、Bitget Wallet 上でのスワップです。
私の手計算では、ここでの実質コストは②と③の約64円でした。②は、①のコストを反映した上での実際の交換レートです(Bitget Walletのサポートに確認済み)。
- 取引手数料 0.315333USDC ※約50円
②スワップレートは①取引手数料を反映した後の実際の交換レートなので、②スワップレートを確認する際には①取引手数料をコストとして認識しなくてOK。 - スワップレート 約157.77円/米ドル ※今回の損失は1万円弱のうち約60円(約0.6%)
その時点でのだいたいの実レート(証券口座のマーケット情報で確認)に対し、+0.94円/米ドル程度でした。ただし、休日にスワップ実行したので他のタイミングとは差異が大きいかもしれません。 - POLのガス代 0.22532707POL ※約4円
所定の条件で無料キャンペーンが適用されるようです(これらしいけど本当に記載どおりの条件なのかよく分からず)。
- 取引手数料 0.315333USDC ※約50円
参考:JPYCの概要等
興味がありましたらご確認ください。
日本円建てステーブルコイン、JPYC の概要です。
- 法的に「暗号資産(仮想通貨)」でなく「電子決済手段」
- 技術的に「ブロックチェーン」上で実装
- 日本円(預貯金および国債)を裏付け資産とし、日本円と1:1で価値が連動(発行残高の100%以上を保全、ステーブルな感じ)
- 発行や償還はプライベートウォレット(セルフウォレット、ノンカストディアルウォレット)を経由
- Ethereum、Avalanche、Polygonの3つのチェーンで発行可能(2025年10月27日時点、順次拡大予定)
- JPYC株式会社は JPYCの発行と償還のサービスを提供(JPYCの発行体)
- 発行/償還自体の手数料は無料(参考)、利用者側のミスがあれば返金/返送のため手続き/手数料が発生(参考、参考、参考)
- JPYC株式会社は第二種資金移動業者(送金額が100万円相当額以下)であり、今後、第一種資金移動業者(送金額の上限なし)の登録の取得を計画中(参考)
- ウォレットで受け取った後の流通は自由&自己責任(例:ウォレットからの送金では100万円の上限も無い)
- (参考)JPYCの仲介を行う場合は、暗号資産交換業でなく電子決済手段等取引業者の登録が必要(2025年10月27日時点でSBI VCトレード株式会社のみ)
- (参考)従来のJPYC Prepaidは前払式支払手段(2025年6月1日に新規発行を終了済み)
JPYCの使い方など詳細は公式FAQにて。

ちょっと脱線ネタとして、他社も含め私が勝手に面白いと思った金融、財務のスキームについて以下の記事にまとめてあります。

JPYCのユースケース
本記事ではJPYCの発行について説明しましたが、他にも様々なユースケースが増えていくと思います。
まだ JPYC のままで使えるお店やサービスが少ないと思うので、増えたら良いですね。JPYC建て(円建て)でチャージや直接決済できるクリプトカードは、本記事の作成時点では無いと思います(あれば知りたい)。クレジットカードのナッジカード(Nudge)は、利用金額をJPYCで支払えたりもしますね(参考)。
また機会があれば、動向をチェックしていきたいと思います。
ちなみに、私が注目している暗号資産関連のトピックとして、JPYC とHyperliquidに上場予定のミームコイン GYAN BLUE($NYAN)が使えるECプラットフォームが開発中です。面白いと思います。投資は自己責任なのでオススメするとかではありませんが、Web3関連の話題として興味がありましたら是非チェックしてみてください。

まとめ
日本円を元手に暗号資産を購入するための手段の1つとして、JPYCの発行を活用したルートのご紹介でした。
JPYC償還による暗号資産の換金については以下の記事にまとめてあります。








