招待制だった楽天ブラックカードが申込み可能に ※要500万円修行※
これまで招待経由でのみ発行可能だった楽天ブラックカードが、2024年7月1日から条件を満たした場合に利用者からの申込みも可能になりました(条件:年会費11,000円(税込)の楽天プレミアムカードを保有し、所定の12か月間で500万円以上利用)。また、そのサービスや特典が公開されています。
楽天カードからのお知らせ
2024年7月2日、楽天カードから以下のアナウンスがありました。
変更点
上記の内容をまとめると、以下のとおりです。
- 楽天ブラックカードの申込み方法
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- 従来は招待経由でのみ発行可能だったが、条件を満たした場合に利用者からの申込みも可能になった
- 招待制度が無くなったという説明は無い
- 楽天ブラックカードのサービスや特典の内容
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- 従来は非公開だったサービスや特典の内容が公開された
- 付帯サービス、”楽天マガジン ライト for 楽天カード”、”楽天ミュージックバンドルプラン” が追加された
- プライオリティ・パスと招待日和は不確定要素あり
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(後述)
謎めいたイメージが薄れる
招待制で情報も限定的だった楽天ブラックカードですが、今回の変更でその謎めいたイメージ、”まぼろし感”が薄れることにはなりそうです。
条件は厳しめですが知名度が上がって申込みが増えれば、レアリティも若干下がるかもしれません。
楽天ブラックカードはクレカ積立と旅行に強い
楽天ブラックカードの特徴的な点として、楽天証券でのクレカ積立が2%還元である点と、プライオリティ・パス(海外空港ラウンジサービス等)が同伴者2名まで無料である点が挙げられます。
本記事の作成時点でクレカ積立の還元率2%に年間利用金額等の条件が無く、また同伴2名まで無料のプライオリティ・パスの利用回数等に制限が無いという点において、年会費33,000円のクレカとしては訴求力があると思います。経済圏を持つ楽天ならではといった感じです。
クレカ積立については、人気の楽天証券で利用できます。上限の月10万円の積立であれば、年間24,000Pを獲得できます。
なお、プライオリティ・パスについては、レストランサービス利用特典も対象のようです(最新の情報は別途ご確認ください)。
コンシェルジュサービス、ダイニング特典も使えるはずです。たぶん(ダイニング特典の懸念は後述)。
また楽天プレミアムカードと共通の特典ですが、手荷物宅配サービスも利用できます。
他はだいたいプレミアムカードと同じ
楽天ブラックカードの他のサービスや特典については、年会費11,000円のプレミアムカードとほぼ同じです。
楽天ブラックカードは楽天プレミアムカードの上位互換であり(ただし年会費が高い)、前述のクレカ積立と旅行時の特典が豪華になったイメージかと思います。
コスパだけに着目すれば、楽天プレミアムカード、むしろ通常カードの方が良いのかもしれません。ブラックカードのステータス感が欲しいかどうか、くらいでしょうか。
楽天マガジンと楽天ミュージックの特典追加
楽天プレミアムカードと楽天ブラックカードの両方で、以下の特典が追加されました。オマケですね。
- 楽天マガジン:雑誌の閲読が月3冊まで無料
- 楽天ミュージック:楽曲の再生が月5時間まで無料
個人的には、楽天マガジンの雑誌3冊分の特典はちょっと良いと思いました。軽く読みたいけど購入や立ち読みまではしたくない雑誌って、ありますよね。
楽天ミュージックは、月5時間という上限が気になりますが、無いよりは良いでしょう…。楽天ブラックカードとは関係なく、無料お試しキャンペーンも開催中です。
いずれもブラックカードの主力特典ではないですが、オマケとしては便利そうです。
楽天証券を利用中で旅行好きの方にはお得
という感じで、申込みの条件は厳しめですが特典をフル活用できるなら悪くないクレカかと思います。
その他の特典やコンシュルジュサービス等も含めて年会費に納得がいけば、アリかもしれません。
- 楽天ブラックカードを活用できそうな人
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- 楽天証券でクレカ積立を利用している
- 同伴者ありで旅行によく行く
- ダイニング特典(懸念は後述)、コンシェルジュサービスも利用したい
(感想) 新NISA時代の年会費30,000円前後のクレカ
個人的な感想としては、ネット証券のクレカ積立と言えば三井住友カードやOliveも挙げられますが、ちょうどプラチナプリファードが楽天ブラックカードと同じ年会費33,000円(税込)なので、ターゲット層が重複しているのかと思います。
プラチナプリファードの場合、クレカ積立の還元率が1~3%で、プライオリティ・パス等の特典が無い代わりに経済圏を限定せず普段使いでポイントを貯めやすいという特徴があります(一応海外での利用は還元率+2%)。
対して、楽天ブラックカードは、楽天経済圏民?のうち、しっかりNISAを活用してくれるくらいの利用者をターゲットに、クレカ積立で高還元率を確保できて、旅行にも強くて、(楽天経済圏中心だけど)ポイントも貯まりやすいクレカの需要があると見込んで、年会費30,000円前後の楽天ブラックカードのスペックをオープンにすれば良いんじゃないかという流れになったのかと思いました。知りませんが。ついでに言うと、”500万円払ったんだ”というサンクコスト効果も強化されそうなので、いったん保有し始めてしまうとそのあたりのメンタルが試されそうです。
どちらのカードも、クレカ積立を使わないと元を取りづらいという共通点はあるので、ある意味でこれが新NISA時代のクレカの特徴的なスペックなのかもしれません。
改定の可能性
楽天はルール変更が多い印象です。特に今後改定に注意すべき点についても記載しておきます。
プライオリティ・パス
2025年1月以降、サービス提供方法が変更となる旨の記載があります。
一方で、楽天プレミアムカードの方は、2025年1月からプライオリティ・パスの利用回数が年間5回までに制限されるのですが、その説明の中に”楽天ブラックカード会員様は変更対象外です“と記載されていたりもします。詳細は不明です。
招待日和
本記事の作成時点で、楽天ブラックカードのページにはMastercardブランドの特典、招待日和についての記載が見当たりません。
別のページには、以下のように招待日和に相当する説明はありますが、どの情報が正しいのか判断はつきません。
選べるサービス
楽天ブラックカードでは、選べるサービスの3コースをすべて利用できるらしいのですが、これも明確な説明は見当たりませんでした。以下の青枠部分を選択すると、「トラベル特典分 +1倍」、「エンタメ特典分 +1倍」の説明が表示されましたので、これが該当するかと思います。あまり改定を心配するような内容でもないですね。
- 楽天市場コース
- トラベルコース
- エンタメコース
効率的な500万円利用の方法はあるか
申込み対象者になるための条件である500万円以上の利用はなかなかハードルが高いので、ブラックカード発行のため、この条件達成に向けて取り組むのであれば効率的に進めたいところ。
ちょっと気になったのは、本記事作成時点で対象外となる利用についての細かい説明が見当たらない点です。
クレカ積立も含む?
クレカ積立の金額を除く旨の記載が見当たりません。
“請求金額合計が500万円以上”と書かれているので、クレカ積立を上限の毎月10万円で利用すれば、年間120万円分の請求金額にはなります。これも集計に含められるのであれば、ちょっとハードルが下がりますね。
楽天キャッシュへのチャージも含む?
同じく、楽天キャッシュへのチャージ金額を除く旨の記載も見当たりません。
利用金額の”ちょい足し”には使えるかもしれません。
複数の楽天カードを保有
あと、複数の楽天カードを保有している場合、それらのカードも合算対象になるようです。
例えば、国際ブランド違いで複数の楽天カードを利用しても集計に含まれるということでしょう。JCBブランドやMastercardブランドの楽天カードを使って、JAL PayあたりへのチャージもOKかと思っています (本記事作成時点では、ポイント付与対象外リストにJAL Payは追加されていないようです)。
まとめ
本記事では、これまで招待経由でのみ発行可能だった楽天ブラックカードが、2024年7月1日からそのサービスや特典が公開され、また条件を満たした場合に利用者からの申込みも可能になった件についてまとめてみました。
私は現在、三井住友カード プラチナプリファードを利用しています。