【3選】エントリーモデルのWi-Fiルータ
エントリーモデルのWi-Fiルータでも、十分快適にインターネット利用できるケースも多いです。
本記事では、私の主観で、おすすめのエントリーモデルのWi-Fiルータを3つ選びました。
本記事の目的
- エントリーモデルのWi-Fiルータを探す。
求めていること
用途は、普段使いや在宅勤務
Webページや動画の閲覧、オンライン会議を含む在宅勤務といった用途です。
家の中で、家族それぞれのスマホやPCで同時に通信することを想定します。
同時に接続する端末の台数は、スマホやPC以外にプリンターや家電を含めて計10台くらいです。
戸建てで木造2階建、マンションで3LDKくらいの目安です。
最初に、一般的な注意点
Wi-Fiルータの性能を発揮するには、端末側もWi-Fiルータと同等の規格、機能に対応している必要性があります。
例えば、Wi-Fi 6(IEEE802.11ax)に対応していない端末では、当然Wi-Fi 6の機能は使えません。
一応、Wi-Fi 5(IEEE802.11ac)に対応した端末であれば、ある程度の性能は確保できると思います。
実例を別記事にまとめてありますので、興味のある方は参考にしてください。
重視するポイント
今回、重視するポイントは以下です。
- 1. 必要十分な通信速度と電波強度
- 2. 同時通信に強いWi-Fi 6等
- 3. 予算8000円以内
- (4. スペックに関する補足事項)
1. 必要十分な通信速度と電波強度
まず大まかなグレード選定です。
なんとなくメチャ速くて電波もバリバリ強そうなWi-Fiルータを選びたくなるかもしれませんが、落ち着いて必要なスペックを考えてみると、以下のような目安になります。
5GHzで最大1000Mbps(1Gbps)
これは、回線契約に応じて必要なWi-Fi通信速度を選ぶという意味です。
光回線でインターネット利用する家庭の多くは、最大速度がベストエフォートで1Gbpsの契約かと思います。
つまり回線自体の通信速度の上限が1Gbpsなので、Wi-Fiルータのスペックについても、メインで使用するであろう5GHzで最大通信速度が1Gbps程度あれば十分と言えます。
(10Gbps回線を利用していたり、家庭内の端末同士で1Gbpsを超える高速な通信をしないといけないというケースなら別ですが…)
ビームフォーミング対応
より遠くまで電波が届くよう、電波の向きを調整するビームフォーミングは必須機能として考慮しておきます(最近のほとんどの機種が対応しています)。
外付けアンテナやメッシュ機能、中継器は設置環境次第
Wi-Fiルータ1台だけでは、どうしてもカバーできないエリアが生じることもあります。
設置してみて電波が弱い箇所があった際の対策のしやすさを考えると、以下のような点を考慮に入れておくと良いでしょう。
- 内蔵でなく外付けアンテナのWi-Fiルータを選ぶ
- あとで増設できるよう、メッシュ機能対応した機種を選ぶ
- 中継器の追加も想定しておく
なお、各メーカー独自で”ハイパワー”なアンテナや回路、チューニングがアピールされていますが、なかなか比較は難しいので参考程度でしょう。
ハイスペックな機種でなくても、上記のように整理するとエントリーモデルも選択肢の1つになってきます。
2. 同時通信に強いWi-Fi 6等
大まかなグレード選定の次は、その性能を発揮できるようWi-Fi 6(IEEE802.11ax)関連やその他の必要な機能を整理しておきます。
5GHzのWi-Fi 6対応 (必須)
メインで使用するであろう5GHzのWi-Fi 6対応を必須とします。
2.4GHzのWi-Fi 6対応 (できれば)
できれば、2.4GHzもWi-Fi 6対応していた方が良いです。
MIMO対応 (2×2(2ストリーム)以上) (必須)
1台の端末が複数のアンテナ(ストリーム)を同時に使用して通信速度を向上させるMIMOは必須とします。
できれば5GHzと2.4GHzそれぞれで2ストリーム以上のMIMO対応していると良いです。
伝送路の特性により信号を分離する仕組みを用いたもので、空間分割多重方式と言われます。
※MIMO自体は、複数端末の同時通信とは関係の無い機能ですが、MU-MIMOとセットで記載するため、ここで挙げています。
MU-MIMO、OFDMA (できれば)
複数端末が効率的に同時通信できるようになる機能です。
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MU-MIMO
MIMO(SU-MIMO)では同時に1台の端末のみが通信できますが、MU-MIMOではストリーム(通信に使用するアンテナ)を各端末に割り当てることで、複数の端末が同時に通信できます。
各端末に電波が届きやすくなるよう、ビームフォーミングが使用されます。MU-MIMOには、DL(ダウンリンク)とUL(アップリンク)の2種類があります。
“MU-MIMO対応”とスペック表記されている製品は、DL MU-MIMOのみに対応している場合と、DL MU-MIMOとUL MU-MIMOの両方に対応している場合があります。一般的なインターネット利用として、Webページや動画を閲覧する際の通信は下り方向(DL)のトラフィックが多いので、DL MU-MIMOにより効率化しやすいと考えられます。
MU-MIMOは、アンテナ数の少ないエントリーモデルでは効果は小さいと考えられますが、同時通信時の通信速度悪化を防ぐために有用です。
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OFDMA
MIMOやMU-MIMOとは別の方式により、複数の端末が同時に通信できるようになります。
Wi-Fi 6の必須要件なので、Wi-Fi 6対応していればOFDMAには対応しているはずです。チャネル内の周波数帯を細かく分割する、周波数分割多重方式と言われます。
さらに、MU-MIMOとOFDMAは特定の条件下で同時利用可能です。実際に同時利用できるかどうかは製品によって異なるかもしれません。
Wi-Fi 6対応製品を選ぶ理由
今後の家庭内のネットワーク状況を予測しつつ考えてみます。
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購入したWi-Fiルータを数年間は使いたい
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その数年間のうちに、端末(PCやスマホ)を買い替えた際、それらは少なくともWi-Fi 6には対応するはず
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また通信量も増大し、家の中で複数の端末が同時に通信する機会が増えるはず
まだWi-Fi 6未対応の端末を使うケースもあるかと思いますが、今後、Wi-Fi 6対応の端末のみを使うようになり、さらに家族それぞれが同時にネットワークを利用する機会も増えるでしょう(もちろん、既にそのような利用状況のご家庭もあるでしょう)。
となると、上記のようにWi-Fi 6におけるOFDMAやMU-MIMOといった、複数端末による同時通信の効率を改善する機能が役に立ちます。
そのような見通しから、エントリーモデルでもWi-Fi 6の機能が充実している製品を選びます。
一方で、Wi-Fi 6よりさらに最新の規格(Wi-Fi 6E等)については、費用対効果や必要性の面から見送りとしています。
3. 予算8000円以内
上記に挙げたポイントを目安として、妥当なコスト感として8000円以内(税込、送料込み)のものを探します。
4. スペックに関する補足事項
補足として、その他のスペックについて触れておきます。
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バンドステアリング
電波強度や使用状況に応じ、5GHz接続と2.4GHz接続を自動で切り替えられる機能です。うまく動作してくれるかどうかは環境次第ですが、あった方が便利です。 -
IPv6 IPoE、IPv4 over IPv6対応
近年は、IPv6 IPoE接続が多いので、ほとんどの機種が対応しています。 -
WPA3対応
Wi-FI 6では、セキュリティ規格 WPA3が必須のようです。対応している端末はWPA2でなくWPA3を使用しましょう。 -
端末の同時接続数
メーカーによって記載は異なりますが、Wi-Fiルータの機種ごとに目安として同時にWi-Fi接続する端末台数の上限が決まっています。エントリーモデルだと15台程度です。1台でまかないきれない場合には、上位モデルのWi-Fiルータを選んだり、Wi-Fiルータを増設してメッシュ機能を使用する構成にしたり、といった対策が考えられます。
なお、端末台数とは言っても、トラフィック量が少ないであろう家電等の機器もあるでしょうから、快適なWi-Fi環境を確保するためには、台数だけでなく全体のトラフィック量を考慮した方が良いかと思います。 -
設定の簡単さ
どの製品もある程度簡単に設定できるはずですし、そもそも人それぞれ感じ方が違う部分なので、本記事では特に細かく考慮しません(私は”かんたん設定”のような機能は使用せず、最初から詳細設定画面を使います)。 -
VPN機能、DDNS機能、管理画面へのWAN側からのアクセス許可機能の非搭載
後ほど関連記事 (警視庁による注意喚起関連) へのリンクを載せますが、これらの機能は、普段使いや在宅勤務程度であれば不要です。
機能を搭載しているが無効にしてある、ではなく、機能を搭載していないことが最も安全です。
ハイエンド等、グレードの高い機種には、VPN機能が搭載されている場合があります。 -
最大通信速度と製品名の読み方
Wi-Fiルータの製品名や型名の中に含まれる数字は、理論上の最大通信速度(Mbps)の合計を表していることが多いです。例えば、製品名が”WL-1800″というWi-Fiルータがあるとします(架空です)。
その製品の理論上の最大通信速度が、5GHzで約1200Mbps、2.4GHzで約600Mbps、合計すると約1800Mbpsになるので、”1800″という数値が製品名に使用されることが多いです。
製品のグレードを一目で判断する際の目安になります。
3選
上記の条件を満たすWi-Fiルータの中で、おすすめできそうなものを3つだけ選びました。
Baffalo WSR-1800AX4シリーズ
1つ目は、Baffalo WSR-1800AX4シリーズです。
私が実際に購入し、使用しています(個人的にはこれを1番おすすめします)。
上記で挙げた必須ポイントを満たしています。
最大通信速度は5GHzで1201Mbps、2.4GHzで573Mbpsです。5GHzと2.4GHzの両方がWi-Fi 6に対応しています。
アンテナ構成は内蔵で5GHz 2本、2.4GHz 2本です。
メッシュ機能は、Baffalo独自のEasyMeshに対応しています。有線接続や2.4GHz/5GHzの両バンドによるメッシュ接続が可能です。
その他、バンドステアリングの簡易版のようなバンドステアリングLiteに対応しています。
警視庁による注意喚起(後述)に関連する機能としては、VPN機能は非搭載、DDNS機能はデフォルトで無効、管理画面へのWAN側からのアクセス許可機能はデフォルトで無効、です(2023年3月に私が購入した時点)。
6000~7000円台くらいで購入できます(2023年3月時点)。
細かいですが、あまり注目されていないポイントもいくつか紹介しておきます。
WSR-1800AX4シリーズの、あまり注目されていないポイント
UL MU-MIMO対応 (Buffalo社に確認済)
“Wi-Fi 6″(IEEE802.11ax)という規格には、必須機能とオプション機能があります。
例えば、4ストリーム以上の無線LAN AP(アクセスポイント)では、DL(ダウンリンク)のMU-MIMO対応が必須とされていますが、UL(アップリンク)のMU-MIMOはオプションです。ULは端末からAPに対する送信方向の通信です。
このWSR-1800AX4シリーズは、エントリーモデルながら、オプションの方のUL MU-MIMOにも対応しています。またOFDMAとの同時利用も可能です。
これらの機能により、複数端末による同時通信を効率的に処理できます(その性能をフルに使い切る機会があるかどうかは分かりませんが…)。
他社製品を含めて私が調べた限り、同価格帯のエントリーモデルでUL MU-MIMOに明確に対応しているのは、WSR-1800AX4シリーズのみでした。感心です。
さらに安価なモデルのWSR-1500AX2Bも5GHzのみUL MU-MIMOに対応しています(2.4GHzの方はWi-Fi 6に対応していないためUL MU-MIMO不可)。
補足として、サポートに問い合わせた際の回答のスピードや内容についても十分でしたので、その点も好印象でした。
WSR-1800AX4SとWSR-1800AX4Bの違い(末尾の"S"と"B")
“ネット脅威ブロッカー”機能の1年分のライセンスがついているかどうかの違いです。
WSR-1800AX4Sの方がライセンスがついているので、同じ価格ならお得と言えばお得ですが、個人的にはあまり必要性を感じない機能なので、どちらか安い方を選べば良いかと思います。
※私の場合は、末尾”S”の方が安かったので、”S”を購入しました。
出典:Wi-Fi 6(11ax)対応ルーター(無線LAN親機) : Baffalo
型名が多い
前述の、末尾の”S”と”B”の違いと、特定販売店向けの型名、カラバリの違いにより、以下のような型名の違いがありますが、Wi-Fiルータ自体の性能は同じです。
あとは、リリース時期が違っていたりもします。
WSR-1800AX4B/DWH [ホワイト]
WSR-1800AX4B/NWH [ホワイト]
WSR-1800AX4B/NBK [ブラック]
WSR-1800AX4B-BK [ブラック]
WSR-1800AX4B-WH [ホワイト]
WSR-1800AX4S/DBK [ブラック]
WSR-1800AX4S/DWH [ホワイト]
WSR-1800AX4S-BK [ブラック]
WSR-1800AX4S-WH [ホワイト]
Aterm WX1500HP
2つ目は、NECのAterm WX1500HP(AmazonではAX1500HP)です。
上記で挙げた必須ポイントを満たしており、最大通信速度は5GHzで1201Mbps、2.4GHzで300Mbpsです。
間取りの目安として戸建で3階建、マンションで4LDK、バンドステアリング対応、ワイドレンジアンテナ、デュアルコアCPU搭載といった特徴があります。
警視庁による注意喚起(後述)に関連する機能としては、VPN機能、DDNS機能、管理画面へのWAN側からのアクセス許可機能、すべて非搭載です(バッチリ)。
また、その他のセキュリティ対策として、在宅勤務とプライベートのネットワーク環境を分離する際にも便利な”リモートワークWi-Fi(ネットワーク分離機能)”があります。
なお、前述のBaffalo WSR-1800AX4シリーズと比べると、2.4GHzはWi-Fi 6非対応、MU-MIMOはダウンリンクのみ対応、メッシュ機能無しといった違いがあります。
楽天市場で、7000円台で購入できます(2023年3月時点)。
型名は、WX1500HPとAX1500HPがありますが、後者の方は特定販売店向け(Amazon)かと思います。
TP-Link AX20
3つ目は、TP-Link AX20です。
上記で挙げた必須ポイントを満たしているはずで(※一部懸念点があるので後述します)、最大通信速度は5GHzで1201Mbps、2.4GHzで574Mbpsです。5GHzと2.4GHzの両方がWi-Fi 6に対応しています。
最大の特徴は、存在感のある外付けアンテナです。頼もしいです。
その他、クアッドコアCPU、USBポート(簡易NASとして使用可)、メッシュ機能としてTP-Link OneMeshといった特徴があります。
警視庁による注意喚起(後述)に関連する機能としては、VPN機能とDDNS機能は搭載(デフォルト設定は不明)、管理画面へのWAN側からのアクセス許可機能は不明、です。
6000~7000円台くらいで購入できます(2023年3月時点)。
コスパ的に面白そうなので、当初この機種を購入しようと思っていたのですが、以下の懸念点から見送りとしました。
※懸念点はあるものの、Wi-Fi 6には対応しており、コスパを考慮するとおすすめできるレベルかと思います。
懸念点:一部のスペック表記が曖昧
メーカーのWebサイト上、MIMO、MU-MIMOの対応状況が曖昧です。
メーカーに問い合わせたのですが、仕様ページ内にMIMO、MU-MIMOの表記が無いので、対応していないという回答でした。
ただ、以下の点から、”本当はある程度対応している”ような気がします。
- 製品情報ページ、仕様ページの脚注に”△DL/UL MU-MIMOと1024QAMを利用するにはクライアント端末側もそれらに対応している必要があります。”と記載があり、ULも含めたMU-MIMOの対応を示唆しているようにも読み取れる。
- IEEE802.11axの仕様上、4ストリーム以上の無線LAN AP(アクセスポイント)では、DL(ダウンリンク)のMU-MIMO対応が必須とされているはず(この仕様解釈を正確に把握できていないので、5GHzと2.4GHzそれぞれのストリーム数が4である場合にのみ必須となるのか(それぞれが2ストリームずつの場合との違い等)、よく分かりません(機会があれば別記事にまとめます))。
- 2ストリーム以上のMIMOに対応していないと、記載されている最大通信速度にならない(ただしこの最大通信速度も、端末1台との通信速度を表示しないといけない決まりなのかどうかは正確に把握できていません)。
TP-Linkは他製品も含めて全体的にコスパは良さそうなので、今後、これらの点が改善されることを期待しています。
警視庁の"家庭用ルーターの不正利用に関する注意喚起について"
2023年3月28日に警視庁から”家庭用ルーターの不正利用に関する注意喚起について”という情報が発信されました。
セキュリティも気になるところです。
今回紹介した製品のうち、BaffaloとAtermのものについては、”DLPA推奨Wi-Fiルーター”に該当しています。
以下の記事にまとめてあります。
1つ目の、以下の記事はボヤきに近いです。
2つ目の、以下の記事の方が続編?です。
まとめ
本記事では、エントリーモデルのWi-Fiルータの3選を紹介しました。
今はエントリーモデルでも十分な機能のものがありますね。