クレカ積立の上限を5万円→10万円に変えた法令改正
2024年3月8日、改正後の内閣府令が公布・施行され、投信クレカ積立の上限額が10万円となりました。
本記事では、その上限額の変更が法令上どのように反映されたかをまとめておきます。
以前の上限は5万円
今回の法令改正以前は、クレカ積立の上限は基本的に5万円でした。その経緯については、以下の記事にまとめてあります。
検討は金融審議会
今回の投信クレカ積立の上限額緩和に関する検討は、金融庁が主管である金融審議会において、”資産運用に関するタスクフォース” で行われました。その経過は以下の記事にまとめてあります。
2023年12月19日~2024年1月19日 パブコメ
その後、私は気付けていなかったのですが、手際よくパブコメ (パブリックコメント) の募集が行われていました。
意見募集期間は、2023年12月19日~2024年1月19日でした。
パブコメ終了後、2024年3月8日に改正された内閣府令の公布・施行
パブコメが無事終了し、予定どおり所定の手続きを経たであろう内閣府令が、2024年3月8日に公布・施行されました (法律の改正でなく、内閣府令の改正)。
これにより、投信クレカ積立の上限額が10万円となりました。
以下の別紙にて、パブコメで寄せられた意見に対する回答と、公布・施行される内閣府令が掲載されています。
【コメントの概要及びコメントに対する金融庁の考え方】
(別紙1)コメントの概要及びコメントに対する金融庁の考え方
【内閣府令】
(別紙2)金融商品取引業等に関する内閣府令及び金融サービス仲介業者等に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令
パブコメの意見
上記別紙にあるパブコメで寄せられた意見の中には、以下のような内容のものもありました。
- 10万円でなく 30万円に引き上げすべき
今回の改正に至る経緯は、”現行実務が法令の上限額よりも制限されている状況が解消されるよう、必要な制度見直しを行う” というものなので、法令上の上限は 10万円のままです (改正前も上限額自体は10万円だった)。
- 「金融商品取引業者ごとに 10 万円を超えないこと」で良いか
これはそのとおりで、証券会社ごとにそれぞれ 10万円以内のクレカ積立が可能となります。
金融商品取引業等に関する内閣府令及び金融サービス仲介業者等に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令
改正内容を確認していきます。
クレカ積立の上限額を引き上げる法令改正は、以下の内閣府令により適用されます。
- 金融商品取引業等に関する内閣府令及び金融サービス仲介業者等に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令
長いですね。
息継ぎと言い間違い無しで読めますか? なかなか大変です
変更点
今回の内閣府令により改正される対象は、 “金融商品取引業等に関する内閣府令(平成十九年内閣府令第五十二号)” です。
以下をはじめ、同じような記載のある個所が変更されます。
- 第148条 (金融商品取引業者における信用の供与を条件とした有価証券の売買の受託等の禁止の例外)
- 第149条 (金融商品取引業者その他業務に係る禁止行為)
- 第150条 (登録金融機関その他業務に係る禁止行為)
- 第274条 (信用の供与を条件とした有価証券の売買の勧誘の禁止の例外)
同様の記載箇所がまとめて修正されている形です。どれがどの立場のどの取引に該当するのかは分かりませんが。
改正前は、”信用の供与” が対象だったので、クレカ積立による買付とその利用料金支払いのスケジュールによっては該当の未払い残高がある時点で 10万円を超えるケースがあり、そのケースに該当すれば改正前の内閣府令の “信用の供与が十万円以内” を満たさないことになっていました。それを回避するため、実務上は “上限5万円” になっていた訳です。
対して改正後には、月ごとの有価証券の売買 (約定) の対価の総額が 10万円以内であれば問題が無いという記載になっています。一時的にクレカ積立分の未払い残高が10万円を超えても問題は無い訳です。これで、前述のようなクレジットカードの買付、支払いスケジュールの違いによってクレカ積立の上限が5万円となるケースを回避でき、毎月10万円のクレカ積立が可能となります。
このように、クレカ積立の上限額が法令上引き上げられたことを確認できました。
まとめ
本記事では、2024年3月8日、内閣府令の改正により投信クレカ積立の上限額が10万円となった件について、その上限額の変更が法令上どのように反映されたかをまとめてみました。
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