フィードバック回路風にポイントのキャッシュバック利用のお得さを考える
クレジットカード等を使って貯められるポイントには色々な使い道がありますが、ポイントを利用金額の支払いに充てるキャッシュバックはお得な方法の1つです。
クレジットカードの利用金額 (獲得ポイント) を減らさずに、引き落とし金額だけを減らすことができるからです (もちろんクレジットカードによると思いますが)。
本記事では、そのキャッシュバックがどれくらいお得か、ゆるく可視化、定量化してみます。
クレジットカードの場合を例にしていますが、○○ペイ等でも同様のモデルです。
注意
本記事の内容は個人的な調査結果や経験に基づいたものです。
正確な情報や最新の情報については、当該組織の公式Webサイト等をご確認ください。
ポイントで買い物 vs キャッシュバック
図に表します。
以下の条件を設定します。
- 毎月、20万円の買い物をする
- クレジットカードのポイント還元率:2.5%
例:20万円利用すると5,000ポイント獲得 - 獲得したポイントは翌月に使える
- 1ポイント = 1円相当で使える
初月は、クレジットカードで20万円分、買い物をします。
その後、獲得したポイントの使い道として、以下の2つのルートを比較してみます。
- 【ルート1】ポイントを買い物の支払いに充てるパターン
- 【ルート2】ポイントを利用金額の支払いに充てるパターン(キャッシュバック)
【ルート1】ポイントを買い物の支払いに充てるパターン
例えば、獲得した5,000ポイントを使って、翌月買おうと思っていたものをそのポイントで購入するとします。
すると、その分、翌月のクレジットカード利用額は減ります。本来クレジットカードで購入予定のものを、代わりにポイントを使って手に入れることになるためです。
1ポイント=1円なので、翌月のクレジットカード利用額は5,000円減って19.5万円になります。それに伴い、翌月の獲得ポイントも125ポイント減って4,875ポイントになります。
これをフィードバック回路風に繰り返すと、4ヶ月目で1か月あたりのクレジットカード利用額は195,122円 (獲得ポイント数4,878) に収束します (回路的にフィードバック値の制御は無いので単に収束するだけです)。
【ルート2】ポイントを利用金額の支払いに充てるパターン(キャッシュバック)
対して、キャッシュバックです。
獲得した5,000ポイントを、クレジットカード利用額の支払いに充てるとします。
【ルート1】と異なり、この場合には、翌月のクレジットカード利用額自体は減りません。
よって、翌月以降に獲得できるポイントも5,000ポイントのままです。
※ポイントを利用金額の支払いに充てても、獲得できるポイントは減らないものとしています (あくまでクレジットカード利用額がポイント還元対象になるという意味です。対象外になってしまうクレジットカードがあるのか知りませんが…)。
【ルート1】と【ルート2】の比較
どちらも消費活動としては同等の買い物なのですが、引落し金額や獲得ポイント数が違ってきます。
- 買い物: どちらも20万円相当のものを手に入れるという点は同じ
- 引落し金額: 【ルート1】より【ルート2】の方が安くなる
- 2ヶ月目…【ルート1】は195,125円、【ルート2】は19.5万円 (-125円)
- 4か月目以降…【ルート1】は195,122円に収束、【ルート2】は19.5万円 (-122円)
- 獲得ポイント数: 【ルート1】より【ルート2】の方が多くなる
- 2ヶ月目…【ルート1】は4,875ポイント、【ルート2】は5,000ポイント (+125ポイント)
- 3か月目以降…【ルート1】は4,878ポイントに収束、【ルート2】は5,000ポイント (+122ポイント)
1年間で、引落し金額は1,464円、獲得ポイントは1,464ポイント、合計で2,928円相当、【ルート2】の方がお得ということになります (【ルート1】の収束後の数値で計算)。
この例では、毎月の計算ですが、ポイントを数万ポイント貯めておいて一気に使う場合であっても、ポイントを使って買い物した分、その後の獲得ポイントが減るという点は同じです。
ポイントで買い物の方がお得なケース
上記では、ポイントの使い道として、キャッシュバックの方がお得という話をしました。
逆に、キャッシュバックよりもポイントで買い物の方がお得になるケースもあるので、簡単に挙げておきます。
1ポイントを1円以上の価値で使えるとき
ウエルシアでTポイントの価値が1.5倍 (ウエル活)
例えば、ドラッグストアのウエルシアでは、毎月20日にTポイントが1.5倍の価値で使える “お客様感謝デー” が開催されます。
これは、1ポイントが1.5円相当の価値になります。
マイル等への交換
航空会社のマイレージポイントサービスを利用し、マイルを特典航空券に交換、あるいは座席をアップグレードする場合も、1ポイントが1円以上の価値になる場合があります。
また通常、マイルを貯めるための手段は、飛行機の利用やマイルを貯められるクレジットカードの利用等、限られているので、マイルを希少価値のあるものとして捉えれば、ポイント交換により多くのマイルを入手できることがメリットになる場合もあるでしょう。
その他
その他、各ポイントサービスが開催するキャンペーン等で、そのポイントの交換や使用時に追加でポイントを獲得できるといった場合にも、1ポイントが1円以上の価値になる場合があります。
まとめ
本記事では、クレジットカードや○○ペイを使って貯められるポイントの使い道として、キャッシュバックがどれくらいお得かをまとめてみました。
“フィードバック回路” というフレーズ自体には、特に深い意味はありません。
もちろんケースバイケースなので、キャッシュバック以外の方が良いこともあると思います。