【セゾンのリボ祭りの行方と決算】バナー消失後は続行?短縮?制限?中止?
驚異的な高還元によりお祭りムードが出てきたところでバナーリンクが突如表示されなくなったセゾンのリボ祭り(仮)、果たしてこのキャンペーンは無事に完遂されるのか、その行方を推察しつつ、ついでに本記事を作成している2月14日に発表されたクレディセゾンの決算資料からリボ関連の記載内容も合わせてチェックしてみます。
つまり、本記事は単なる野次馬記事です。キャンペーンの状況に変化があれば追記しておきます。

(追記)2025年2月18日時点で、キャンペーン内容が早期終了&条件変更
2/14に、セゾンPortalアプリ、および公式サイトのキャンペーンページから、今回のキャンペーンへのバナーリンクが消えた後も、今回のキャンペーンページ自体への直接のアクセスは引き続き可能だったのですが、その後、2/18時点でキャンペーンの早期終了と条件変更について案内がありました。
⚠️2/20までの利用が対象
⚠️2/18以降に発行のカードは対象外
⚠️利用や発行の取り消しは不可
お知らせの内容は以下

“弊社の想定をはるかに上回り”、”このまま運営することが困難”、”誠に不本意ながら”、”お客様のご期待に沿えない結果”、”深く反省”といったフレーズが並んでいます。余談としてiPhone 16eの予約受付の開始前に終了できて良かった気もしますが、iPhone 16e自体はイマイチだったようで。
クレディセゾン、むしろクレカ会社全般にとって、リボ払い関連のキャンペーンに関して応えるべき顧客の期待とは具体的に何を指すのか、というところに感慨深いものがあります。
(追記)2025年2月17日時点で、キャンペーン内容に変更なし
週明けの2月17日時点で、セゾンカードから今回のキャンペーン内容の変更等に関する案内はありません。
個人的に、今回のキャンペーンは変更なく続行中だと認識しており、希望者は早々に参加すれば良いと判断しています。
今回のキャンペーンに関し、公式サイトにおける開始時点からの変化は以下かと思います。
- 公式サイトのキャンペーン一覧ページから、今回のキャンペーンへのバナーリンクが消えた点(今回のキャンペーンページ自体への直接のアクセスは引き続き可能)
- 今回のキャンペーンページに
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が追加された点(遅くとも2/14から追加され、その後、検索エンジンの検索結果に順次表示されなくなる)
上記の状況から、バナーリンクや検索エンジン上のインデックス登録を削除したことにより露出は減らすものの、キャンペーン自体は続行しているものと思います。
2025年2月14日、キャンペーンバナー消失
セゾンPortalアプリ、および公式サイトのキャンペーン一覧ページから、今回のキャンペーンへのバナーリンクが消えたようです。キャンペーンページ自体への直接のアクセスは引き続き可能です。
今後、キャンペーンの内容変更等に関する案内があるかもしれないので、心配な方は様子見した方が良いかもしれません。あるいはニッチな読みをされる方は、本キャンペーンが期間短縮等になった場合に滑り込みでキャンペーン対象となることを狙って今のうちに参加しておくという手もありますが、ちょっと冒険です。
このキャンペーンバナー消失は、何を意味するのでしょう。
不穏な週末を迎えることになりそうです。
今回のセゾンのリボ祭りは続行?短縮?制限?中止?
昨年末のヤマダNEOBANKのキャンペーンを思い出しますが、あまりに参加者が殺到した場合、適切な上限を設けていないキャンペーンは当初の予定通りに開催できなくなってしまいます。
今回のセゾンカードのキャンペーンでは、以下のような変更が生じる可能性が考えられます(あるいは生じない可能性も)。
- 内容の変更なし
(バナーリンクは消したまま露出は減らす) - 期間を短縮
- 参加可能なカード枚数を制限
- 上記の期間短縮と枚数制限を組み合わせ
- キャンペーン全面中止(セゾンヤマダ)
私の期待では、①のようにキャンペーン内容を変更せず完遂してくれる(ただしバナーリンクは消したまま露出は減らす)と信じたいのですが、予想としては現実的に ②~④の変更はあり得ると思います。⑤はさすがに無いのかと。
キャンペーン内容を変更しづらい理由いくつか
ただ、今回のキャンペーンページでは、キャンペーン内容を予告なく変更する可能性や、早期終了する可能性については言及されていないんですよね。ということで、キャンペーン内容を変更するとバツが悪そうなので、セゾンカードがどんな対応をするか要注目です(すみませんがこのあたりは野次馬です)。
なお、他のキャンペーンについては、キャンペーン内容を予告なく変更することについての文言が記載されているものと記載されていないものがあるようです。SAISON GOLD Premiumのリボキャンペーンは、”本企画は、予告なく変更・中止させていただく場合がございます。” と記載があります。Visa関連のキャンペーンや、大和コネクト証券のキャンペーンにも記載があります。
なぜ今回のキャンペーンは記載が無いのでしょうか。カード枚数に対する制限が無い点はヤマダ的視点からも危ないですよね。還元率も20%と高いですし。
ということで、キャンペーン内容に変更があるかについては、様子見をしたいと思います。
ところで、キャンペーン内容の不利益変更があった場合、景表法(おとり広告や有利誤認あたり)はどのように考慮されるのでしょう。その他、金融サービス固有の事情もあるかもしれません(調べていませんが金商法の誤認勧誘など)。まぁ今回のはユーザの殺到によるものでもありますが…。キャンペーン担当はハラハラしますね。

リボ払い関連キャンペーンを攻略されてしまうリスク
本来、クレカ会社にとってリボ残高は貴重な収益源の1つであり、その収益源を将来的に増やすため豪華な特典のリボ払い関連のキャンペーンを開催しているはずなのですが、今回のようにポイ活ユーザの注目を集めてしまい、利用者側がほぼノーコストで大きな利益を確定できる早期返済による攻略手順が拡散されてしまうとなると話は別です。
攻略手順を知っているユーザがキャンペーンに殺到すると、それはクレカ会社にとって多額の特典付与によるコスト増大と、将来の収益につながらない早期返済の多発を招くだけであり、キャンペーン自体のパフォーマンスは悪化してしまいます。なお、金融サービスにおける消費者保護等の観点からも、リボ残高の早期返済を制限するような不利益条件は設定しづらいでしょうから、そのあたりは攻略手順を把握しているユーザが有利です。攻略と言っても、正規の早期返済手続きなので裏技ではありません。
このように、高還元なリボ払い関連キャンペーンは多くのユーザに攻略されてしまうと失敗するリスクがあり、そこがクレカ会社のキャンペーン施策の工夫のしどころでもあります。たぶん。
あと前提として、そもそもリボ払いを利用するユーザがクレカ会社の収益源になりやすいことがこの手のキャンペーン開催のモチベーションになっているはずであろう点も考慮すると、リボ払いには闇深い側面もあります(参考:セゾンカードのトリセツ(たぶん2019年)もご覧ください)。そこに経済合理的なポイ活ユーザがパズルを解くくらいの感覚でキャンペーン特典を獲得しようと殺到してきてさらに混沌とする訳ですね。
リボ関連のキャンペーンの話題としては、以下のようなものがあります。



クレディセゾンの決算資料からリボ関連の記載をチェック
本記事を作成している2025年2月14日にちょうどクレディセゾンの第3四半期決算発表がありました。
増益でしたが、”将来収益獲得に向けたプロモーションコストの投入” もあり、通期業績予想を据え置いています。このプロモーションコストに今回のリボのキャンペーンの予算が含まれているのかもしれませんね。

※当サイトにて注釈
ショッピングリボ残高はペイメント事業の主要指標であり、期初計画を上回って増加しています。ショッピング枠が(頼んでいなくても)増えているケースもあるようですが、それがこのように業績に寄与しているみたいです(そうなの?)。あと、本記事の趣旨とは関係ないですが、プレミアム戦略を推進中とのこと。

※当サイトにて注釈
収益性向上に向け、リボ手数料の引き上げも行われています。18%です。”今”買って“後”で払うニーズが一層高まる想定だそうで(そんなニーズにリボや分割のシステムで応えるのが金融サービスということで)、今後も良い業績が見込めそうですね。

※当サイトにて注釈
株主的には、緩すぎるキャンペーンには厳しい目も?
昨年末のヤマダNEOBANKのキャンペーンの件もあったので、あまりにパフォーマンスが悪いまま話題になるようなキャンペーンには株主から厳しい目が向けられるのではないでしょうか。
例えば今回の決算に関しては、コロナ禍の時に将来の延滞債権等の増加に備えて引き当てた特別引当金を一部取崩したことによる増益もあったようですが、通期業績予想を据え置いて “将来収益獲得に向けたプロモーションコストの投入” をしているのであれば、株主の立場からするとその効果をしっかりと出してほしいはずです。今年度の事業利益の進捗率は今回の3Q決算時点で99.9%に達している中で、株主の利益を削ってプロモーションに充てているという見方もあるでしょうから。”ほとんど全部ポイ活ユーザに持ってかれました” では示しがつきません。

全く根拠はありませんが数字をイメージするための試算として、クレディセゾン単体の会員数の0.5~1%程度(12万人~25万人程度)が今回のリボキャンペーンにおいてカード1枚あたりの特典の上限である3万円のキャッシュバックを獲得した場合、その特典付与にかかるコストは36~75億円くらいになります(各手数料の収益による相殺は考慮していません)。2024年度通期の事業利益の計画値は800億円なので、その5%~10%程度に相当します。今回のキャンペーンを早期終了や条件変更をせずに完遂していた場合、そのコストがどれくらいの規模になっていたのかは分かりませんが。

(追記)決算発表後の株価
前述の好調そうな決算発表後、2/17の株価は+6.84%になりました。

(2/16追記)グラフで見る “セゾン リボ キャンペーン” の人気度の動向
参考までに、Googleトレンドをチェックしてみました。

出典:セゾン リボ キャンペーン – 調べる – Google トレンド

出典:セゾン リボ キャンペーン – 調べる – Google トレンド
(2/22追記)グラフで見る “セゾン リボ キャンペーン” の人気度の動向
嵐は過ぎ去った感じです。

出典:セゾン リボ キャンペーン – 調べる – Google トレンド
(3/15追記)東洋経済に関連記事
東洋経済に、今回のキャンペーンを扱った記事がありました。
元々の計画では、キャンペーンを通じてリボ払いの利便性を伝え、利用する会員を増やすことが目的だったのだろう。同社関係者は「当初は想定予算1億円未満のキャンペーンだったが、このまま継続すれば予算が10億円を超える可能性があった。キャンペーンを早期終了せざるをえなかった」と打ち明ける。
出典:ヤマダに続いてセゾンまで… ポイ活お得キャンペーンの「早期終了」が相次いでいる”悩ましい理由” | 家計・貯金 | 東洋経済オンライン

まとめ
驚異的な高還元によりお祭りムードが出てきたところでバナーリンクが突如表示されなくなったセゾンのリボ祭り(仮)についての野次馬記事でした。
