IERSのサイトでUT1-UTCのデータを見る(うるう秒)
うるう秒による調整は、UTCとUT1の差を±0.9秒以内に保つことを基準に行われます。
本記事では、そのうるう秒の調整を行っているIERSが提供するデータを見てみます。
2035年までにうるう秒が廃止される件については、別記事にまとめてあります。
本記事の目的
- うるう秒の調整の基準となっているUT1-UTCのデータを見る。
基本
国際地球回転・基準系事業(IERS)
IERSは、International Earth Rotation and Reference Systems Serviceの略です。
日本語では”国際地球回転・基準系事業”と呼ぶようです。
ちなみに、IERSの本部はパリにあり、BIPM、CIPMもフランスのようです。これ関連(?)の機関はフランスに拠点があるようですね。
うるう秒の調整の基準となっているUT1-UTCのデータ
うるう秒による調整は、UTCとUT1の差を±0.9秒以内に保つことを基準に行われます。
そのUT1-UTC(DUT1)のデータを見てみます。
(Plots for UT1-UTC – BULLETIN A Allより)
だいたい-0.6秒くらいになったところでうるう秒が挿入(+1.0秒)されていることが分かります。
2020年くらいから、UT1-UTCが右肩上がり(→箇所)になっているのは、地球の自転が速くなってきているためです。このままUT1-UTCの値が大きくなると、負のうるう秒による調整が行われる可能性があります。
詳細
辿り方
- IERSのEarth orientation dataのページを開く。
- 短期間のデータ
“Bulletin A”→”Plots”を選択し、いくつかグラフがある中から“UT1-UTC”を選択する。 - 長期間のデータ
“EOP 14 C04 (IAU2000A) – one file (1962-now)”→”Plots”を選択し、いくつかグラフがある中から“UT1-UTC”を選択する。
- 短期間のデータ
長期間のデータ(Plots for UT1-UTC – EOP 14 C04 (IAU2000) one fileより)
2000年以前の方が、頻繁にうるう秒が挿入されていたようですね。
その他のデータ
-
本日分のデータ
EOP of today -
UTCに関する案内(これがうるう秒の実施有無に関する公式アナウンスかな)
INFORMATION ON UTC – TAI
“NO leap second will be introduced at the end of December 2022.”と書かれています。
…語弊がありますが、どこか桜の開花宣言と似たようなものを感じます。